たまにはゲーム以外のお話を~子供の気持ち編~
今日は2回目の更新です。
今日はですねえ患者として出会った少年とのお話です。
医者「これから緊急手術だから準備しろ」
これが最初の夜中の号令でした。
それは、ある少年がデパートのゲーセンでトラブル起こして怪我をした。
器物破損で警察沙汰になり受診が遅れた。そんな話から始まりました。
少年は中学生。喧嘩に負けて腹いせにゲーセンで大暴れしたらしい。
しかし所詮は子供。手術と聞くとビビって泣きそうな表情。
手は曲がっちゃいけない方向に曲がってる。
自分のやったことにビビっちゃって自分でドン引き。
聞けば親を困らせたかった。
母親は好きだけど情けない姿の父親が大嫌い。
だから父親を困らせたくて暴れてやった。
あ~自分とは環境は違うけど何処か境遇が似ているなあと興味を持った。
自分の過去に関しては記事にしてるので省略(笑)
見た目は金髪。ピアスもしている。昔で言うヤンキーですな。
親は子供にビビっている。特に父親はビクビクしている。
母親は平静を装っているけど涙目。
警察と病室でも事情聴取。そんな本人も興奮しており威圧的な態度。
少年「大人なんて信用しねえ。」
でも手術にはビビってる(笑)
緊急手術の為色々と準備をしなければならない。
少年「手術って痛いのか?死ぬかもしれないのか?」
準備中に不安が伝わる会話だったな。
緊張をほぐすためにちょっと会話をして見る。
jojo「そんなビビるなら何で物に当たる?後悔するなら辞めとけばよかったろ?」
少年「親がムカつく。ウザい。」
jojo「なんでそう思う?」
少年「勉強出来ないからっていつもグダグダ言いやがる」
jojo「それは君の学生としての仕事でしょ?間違ってないべよ」
少年「あ・・・注射するの?」
jojo「おう!するぞ!!言っておくけど自分の注射成功率は10回に1回だぞ!!」
少年「え?マジ!!辞めて!!」
jojo「運が悪かったな!今は自分しかいねーんだよ^^」
まあそれは嘘で若いから血管なんてわかりやすいし誰でも入る血管だった(笑)
少年「えーとjojoさん(ネームから名前を知った)
jojo「ん?」
少年「jojoさんは勉強できるの?高校何処だったの?」
jojo「農業高校だぞ。勉強なんて出来なかったぞ。」
少年「え!!?俺その高校行くんですよ」
jojo「ほうほう(笑)あそこはいいぞお!命の大切さを学べる」
少年「でも人の命と動物の命なんて違うじゃん」
jojo「そんなことはないぞ。牛の出産に立ち会ってみろ。命は全部同じよ。」
少年「でも人間は間違えられないじゃん」
jojo「じゃあ君は牛の命は間違って失ってもいいと思うのか?」
少年「だって人じゃん。」
jojo「牛だって死んじゃったら親が悲しむし。経営者だって金飛ぶんだぞ。」
少年「あ・・・金か・・・・。母牛も可愛そうだな。」
jojo「そうだろ?牛だって必死。経営者も雌か雄かで必死よ(笑)」
実は親の情報から進路に関してそれは知っていた。
これで彼の閉ざされた心は徐々に開くと確信。
父親が泣きそうな顔で部屋へ戻って来る。
少年「うぜえ。お前なんかいなくなれよ。キメえんだよ。」
父親「・・・・・」
jojo「なあ少年。親に向かってそれはないだろ?心配してんだぞ。」
少年「だってムカつくんだよ。」
jojo「お!今日は1発で注射入ったな!調子良い日だわ(笑)」
少年「マジかよ><俺がっつり心配なんすけど大丈夫?この病院!?」
jojo「あのな、この注射の痛みとそのケガと父ちゃんの今の気持ちどっちが痛い?」
少年「あ?喧嘩売ってんの?」
jojo「うん。自分は看護師だけどさその前に人間ださ。誰が治療費払うの?」
少年「・・・・・・」
父親「・・・・・・」
jojo「君の仕出かしたこと。手術代・器物破損代誰が払うの?」
少年「そんなもん知らねえよ。」
jojo「それはな・・・君がまだガキだから吐ける台詞なの。」
少年「ホントは悪いと思ってるんだ。」
jojo「なら親に感謝しろ。母ちゃんや父ちゃんあんま困らせるな。」
少年「あ・・・ピアスとかとったほうがいいの?」
jojo「おめえ!!親からもらった体に穴あけんなバカたれもん!!」
少年「・・・・」
母親号泣。父親号泣。・・・・見たくねえ・・・・
準備完了して手術室へ。
母親は直前まで付き添って見守る。父親は部屋で待機。
手術が終わって帰室。すでに意識は清明。
少年「jojoさん・・・・手が痛いし動かない・・・・」
jojo「さっき父ちゃんに言った台詞と同じだ。痛いし動けないんだよ。」
少年「俺・・・頑張って高校受かります。」
父親「そうだよ!!頑張って高校受かろうな!!!」
jojo「ほら・・・君の親はちゃんと君を見てくれてるんだぞ。父ちゃんだって必死だぞ」
少年「今年、学校受かったら学園祭来てくれます?」
jojo「おう!!毎年行ってるから顔見にいってやんよ」
少年「jojoさんて看護師じゃないみたいですね。」
jojo「おう!常識外れな、なんちゃって看護師だからな(笑)」
母親号泣・・・父親号泣・・・・・見たくねえ・・・
自分が最後に教えてあげたこと。
「今の当たり前のことがどれだけ幸せか。ちゃんと見守ってくれる人がいることがどれだけ幸せなことか。グレて親を困らせるのは別にいいさ。粋がってかっこつけて強さ誇示するのも自由だ。でも最後に助けてくれるのは親だと思え。友達も所詮は赤の他人。余程の出会いがない限り親友と呼べる奴は一握り。ちゃんと見守ってくれる家族がいるなら一生大切にしなきゃ後悔する日が必ず来るから。親を沢山困らせながら大切にしろ。」
親にはこう言ったな・・・・。
「じゃがいもはじゃがいもなんですよ。美味いんですよ。」
あ~・・・自分が言うなんて超おこがましいですよ・・・・
過去の自分に言いたかったことをぶつけてやりました^^;
羨ましいですね。ホントに心配して駆けつけてくれる家族って美しいです。
それに気が付けないのが10代の少年少女ですが。
看護師って患者もそうですが家族の心理もわからないとホントに難しい。
でも少しでもこうやって一つの家族が救われたなら嬉しいですね。
まあ、彼のこの先はわかりませんが^^;
なんで少年少女って親とかより他人の言うことを聞くんですかね。
他人との共感が欲しいのが原因ですかね。
そんなドラマみたいな一部を見れるこの職業もまんざら悪くないですね。
自分も一つ成長できる経験でした。
それでわ(*'▽')ノ